中国製マスクの在庫買取事例

マスク
1月末の中国・武漢でのコロナウイルス感染拡大の報道から、感染予防のためのマスク購入が急激に増加しました。
この影響で国内のマスクが品薄になります。
2月に入ると、販売店に入荷されると即完売してしまう状態で、マスク不足は深刻化します。
2月~3月は、50枚箱入りマスクが5000円以上など、通常では考えられない価格での販売が目立ちました。

この時期に、オークションサイトやフリマアプリで個人がマスクを高額転売していると連日報道され問題となっていました。
これを受けて政府は3月15日からマスクのネット高額転売を全面禁止。
5月にはマスクの国内供給量も増え、価格も落ち着いてきました。


マスクの値動きデータ 引用:オークション価格相場研究所

中国製マスクの輸入

マスク不足が深刻化していた時期、中国製マスクの輸入が増加していました。
コロナウイルスは中国から発症し、一時は中国国内が経済停止状態に陥っていましたが、いち早く復興し、3月にはほぼ通常に戻っていると報道されました。
中国ではコロナウイルスの感染拡大を受けて、マスクや消毒液、防護服などの大量生産が行われていましたが、国内では感染が落ち着いたことから3月から海外向けに輸出するようになりました。

日本でのマスク不足を受け、中国製マスクの輸入に着手した方も多くいました。
販売価格も高騰していたため、ビジネスチャンスになると考えての動きです。

一般的な日常生活で使用するマスクは輸入規制の対象ではなく、コロナウイルス感染症対策として優先的な通関手続きも認められていました。
このことから、中国へのマスクの発注が増加します。

中国製マスクの規格

中国製マスクの規格は5種類です。
・医療用マスク3種類(KN95マスク、サージカルマスク、一般医療マスク)
・建築現場などで利用される防護マスク
・日常生活で使用される一般的なマスク

3月からマスクの輸出を開始した中国では、当初全く規制がない状態で医療用ではない一般規格のマスクが大量に海外輸出されていました。
3月中に、欧州で中国製マスクの使用拒否の報道が出ました。
医療用マスクの「基準を満たしていない」という理由です。
関連記事:BBC 中国製マスクや検査キット、欧州各国が使用拒否 「基準満たしていない」

これは、マスク生産への規制が無かったため、日常使用の衛生マスクを医療用マスクとして輸出してしまったことが原因です。
これを受け、4月10日には中国税関が「医療用」物資(マスク含む)の税関検査強化を行いました。

このときに問題になったのが、衛生マスクのパッケージの文言です。
日常使用の衛生マスクにも、「医療用マスク」とパッケージ記載して生産されていたため、中国税関で引っかかる状態に。
日本向け商品には日本語で記載されているのですが、その製品はすべて中国税関で止められてしまいました。

中国製マスクの大量在庫処分

小売業の会社から、大量の中国製マスクの在庫処分依頼が入りました。
普段はマスクを取り扱っていない業者様です。
コロナウイルスの影響でマスク不足が深刻だったことから、3月に大量の中国製マスクを発注したところ、大幅な納期遅れとなり5月にやっと手元に届いたそうです。
50枚箱入りのマスクでしたが、パッケージに「医療用マスク」と日本語記載がありました。
そのため、中国税関で止められてしまったようです。

5月中は自社のECサイトや小売店で販売を行っていて順調に売れていましたが、6月に入り全く売れなくなってしまったそうです。
秋口からのコロナウイルス対策やインフルエンザ予防に備えて半年在庫を持ち越すことも検討されましたが、数量が多いため(約500万枚)倉庫代や商品管理費等を考慮し在庫処分を依頼されました。

数量が多かったため、海外への販売予定で買取させていただきました。
最終的にブラジルの業者に転売しました。

衛生マスク約500万枚を1枚あたり8円で買取しました。