製造業・小売業・販売業の売り上げは在庫数量に比例します。
業績を上げるためにはある程度余裕をもって在庫を揃えなくてはいけません。
しかし、マーチャンダイジングの判断を誤ってしまうと過剰在庫が発生し、最悪の場合は黒字倒産となってしまう場合があります。
法人の黒字倒産の原因
法人の黒字倒産は決して珍しいケースでは無く、現在でもこれが原因で倒産になってしまう企業は毎年一定数ではありますが存在しています。
一体何故、利益があるのにも関わらず倒産をしてしまうのでしょうか。
在庫の管理不足
法人の黒字倒産は、主に在庫の杜撰な管理が原因で起こると言われています。
企業の間での商取引では売り掛けで行われるのが一般的です。
その為、代金を回収するまでに長い時間(短ければ数十日程度ですが、三ヶ月近くかかる事もあります)が必要となるので、在庫と代金の管理がいい加減になってしまうと、資金操りが難しくなり経営が困難になってしまいます。
この状態(売り掛け代金の回収ができずに現金が不足している状態)でも更に受注を受け続けてしまうと、在庫過剰による黒字倒産となってしまうわけです。
在庫をリスクと思わない
商品の売買を行うには一定数の在庫は必要ですが、在庫とはすなわち経営者の負債でもあります。
しかし、通常は在庫は資産として扱われるので、損失として計上されないのが普通です。
その為、いくら在庫があっても「損失にはならないから問題は無い」と判断をしてしまう経営者も居ます。
ですが、実際には負債を抱えているようなものなので、リスクを感じないのはとても無茶な行為です。
更に、在庫の数が多ければ大量の商品を保管しておく場所も必要になってくるので、本来ならば不必要な倉庫のために無駄なお金を払わなくてはいけません。
この問題に気がつかずに仕入れを過剰に増やし続けてしまうと、過剰在庫(負債)によりキャッシュが足りなくなり、赤字になっていないのに倒産をしてしまうわけです。
交叉比率のチェック不足
このような事態を防ぐ為には、注文や在庫の数に関わらずに周到な資金操り表をつけることが大切です。
赤字倒産の場合ならば事前にある程度予測が可能ですが、黒字倒産は業績に関係が無くある日突然発生します。(厳密には違うのですが、そのように感じます)
これを回避するには、日ごろから無駄な過剰在庫を抱えないように収益性管理を行い、交叉比率が100%になるようにチェックをしなくてはいけません。
商品の売買を行うにはある程度の勘も重要ですが、勘のみに頼りすぎてしまうと様々なリスクが発生しやすくなるので注意が入ります。
まとめ
きちんとした資金管理さえ行えば、たとえ赤字であっても経営は成り立ちますが、会社に資金(現金)が無くなるとそうはいきません。
注文が大量に入るからといって無茶な仕入れを行い続けると大変危険です。
黒字倒産を避けるためには、マーチャンダイジングの判断を誤らないことと、資金の管理を行い、適切な受注数を計算しておくことを忘れないようにしましょう。